スマホ対応は必要?スマホ化後のPV・クリック率・成約率
昨年末から管理サイトのスマホ対応を始めています。PC・スマホ・タブレットのシェアを見ても分かるように、確実にスマホユーザーは増えています。
スマホ向けにフォントサイズを調整すればPCサイトでも問題なく閲覧できますが、スマホサイトが増えるほど、スマホ向けサイトを求めるユーザーが増えてくると思います。
スマホ対応することで、成約率やPVが減少することもあるので、考えてやらないとだめですが、2015年以内に大部分のサイトをスマホ化しようと考えています。
スマホ対応前後の見え方の違い
アフィリエイトサイトの場合、気になるのがスマホ対応したサイトの広告CTR(クリック率)やCVR(成約率)の変化だと思いますが、一例として私のサイトのデータをご紹介します。
今のところスマホ化したのが車関連のサイトのみで、車は1~3月が需要期になるため、直近データの比較が難しいです。(需要期はCVRも高くなります)
そのため、前年のデータなども含めて比べてみたいと思います。対象になるのは車買取のサイトです。自動車保険のサイトについては、ちょうど同じタイミングで商材を変更してしまったため比べられません。
スマホ化前
これがスマホ化前の状態です。当時のキャプチャがなかったので、フォントサイズ調整してPCサイトでキャプチャしました。
実際にはもっと小さく見えていたので、トップページはズームしないと文字が読めない状態で、個別記事はコンテンツ部分のみズーム無しで文字が読めるぐらいの大きさでした。グローバルナビやサイドバーはズームしないと見えません。
スマホ化後
これがスマホ化後の状態です。ズーム無しで全ての文字が読める状態です。当然、広告部分も見やすくなっています。サイドバーは記事の下に回っています。
グローバルナビをどうしようか悩んだのですが、メニューにしてタップが必要になると、ほとんど見られないし、全て表示するのは邪魔なので重要な物を4つ表示することにしました。サイトによっては2つでも良いと思います。
このサイトのスマホ割合が約6割のサイトです。レスポンシブではなく、PCサイトとスマホサイトを別に用意してタブレットはPCサイトを表示しています。ちなみにこのサイトはリスティングはやっていません。
スマホ対応前後のデータ比較
表示回数 | クリック数 | CTR | CVR | |
---|---|---|---|---|
2014/01 | 57,419 | 490 | 0.85% | 9.59% |
2014/09 | 344,731 | 2,176 | 0.63% | 10.16% |
2014/11 | 289,712 | 1,909 | 0.66% | 8.85% |
スマホ対応 | ||||
2015/01 | 354,672 | 2,247 | 0.63% | 11.66% |
2014年12月にスマホ対応しています。前年比、直近需要期比、直近比ということでデータを並べてみました。
直近需要期の2014年9月と2015年1月の比較がアクセス数も近くてわかりやすいですかね。CTRは変わらずでCVRは1.5ポイント上がっています。
スマホ化でCTRが上がったと感じていたのですが、そうでもないようです。広告は確実に見やすくなっていますが・・・CVRが上がっているのは良いですが、CVRについてはリンク先のLPの絡みもあるので一概にスマホ化が良かったかはわかりません。
詳細データ
2014年1月、9月、11月、2015年1月のASPのデータです。
1年前と比較すると件数は増えていますが、アクセス数が全然違うので正直良い比較になりません。この1年で車買取とは直接関係がないページが増えたことで、CTRはかなり下がっています。
CVRが上がっているのでスマホ化の意味はあったと言えなくもないですが、2ポイントの差のうちどれくらいがスマホ化の効果なのかはわかりません。 直近需要期との比較でもCVRは1.5ポイント上がっていますが、果たしてスマホ化の効果なのでしょうか。
スマホ対応後のアクセス比較
スマホ化したことで気になるもう一つの指標がPV(訪問別PV)や滞在時間です。以前、WordPressのプラグインで対応した時はPVがかなり下がりました。
前年比
1年前とはアクセス数が違いすぎて比較になりません。ページセッション(訪問別PV)が下がっていますが、ページ数が2倍以上になっており、車と直接関係ないページも増えているので、スマホ化に関係なく下がってもおかしくありません。
直近需要期比
直近需要期との比較では、ページセッションが微増していますが誤差の範囲ですね。
スマホサイトは関連記事リンクが無くて、サイドバーも下に回っていて、グローバルナビは数を減らしていますが、関連記事やサイドバーのリンクはほとんどクリックされていないので、その分のロスはあまりなさそうです。
平均セッション時間(滞在時間)や直帰率についても誤差の範囲です。このへんの数値も変化があると思ったのですが、そうでもなかったです。
スマホ対応した意味はあったのか
個人的にスマホ化して良かったと思っていたのですが、改めてデータを見てみると、大きな効果は感じられません。元々のサイトで問題が無かったか、ユーザーがそれほどスマホサイトを求めていないか、スマホ化の仕方が悪かったということですかね。確実に見やすくはなっていますが。
ユーザー側からしてみれば、PCサイトでもスマホサイトでもどちらでも良いということなのでしょうか。まだまだPCサイトも多いですし、手動でズームすることにストレスを感じない人も多いと思います。
これだけを持ってスマホ化の意味は無いとは言えませんが、今すぐ急いでスマホ化しなければいけない状況ではないことは確かです。スマホで見た時に、レイアウトなどの崩れがなく、コンテンツ部分のフォントサイズが大きくなっていれば大きな問題はないような気もします。
ただ、これからスマホサイトが増えてくれば、非スマホサイトに対するストレスは大きくなると思いますので、このままスマホ化計画は続けます。しかし、スマホ化は思っている以上に大変で、手の込んだサイトほど難しくなります。
機種ごとの見え方も異なっておりブラウザチェックも大変です。そう考えると、現時点で、お金と手間をかけてまでやる必要はあるのか?という疑問は出てきます・・・
※ジャンルやサイトによってスマホ化の効果は変わってきます。今までの見え方が酷かったサイトほど効果は大きくなるでしょう。スマホ化を進める場合でも1サイトずつ効果をチェックした方が良いと思います。
ASPのデータを見てみよう
私のサイトについては、今のところスマホ対応したことによる効果は微妙ですが、サイトによっては成果が上がる場合や下がる場合もあると思います。
WordPressサイトでプラグインなどで簡易的にスマホ対応した場合、成果は下がるかもしれません。スマホ化はオリジナルデザインが基本です。プラグインをカスタマイズしても良いですが、サイトごとに細かい調整を行う必要があります。
@pacificus A8のスマホ経由の未確定成果が半年くらい4割くらいで足踏みしてるんですよね。バイマとか見てるともっと伸びていい気もするんですけど、どうなんですかね。悩ましいです。
— 柳澤安慶(二丁目ではヤナティ) (@ankeiy) 2015, 1月 16
A8の社長さんのツイートですが、スマホ経由の成果がここ半年ぐらいは足踏み状態のようです。
この開示の資料http://t.co/vYvHU6R3pxのP25にあるA8の月次スマホ経由成果の推移を見てもらえばわかりますが、現在4割弱です。これがいいのか悪いのかわかりませんが、Webメディアのみなさんはこの4割という数字、機会損失のひとつの目安になると思います。 — 柳澤安慶(二丁目ではヤナティ) (@ankeiy) 2015, 1月 16
A8が貴重なデータを公開してくれています。
グラフの紫の部分がスマホ経由の成果報酬の割合です。確かに2014年5月頃から横ばいに状態になっています。 スマホ対応するサイトが増えていることは確実で、スマホ対応で成果が上がるのであれば、ASPのスマホ経由の報酬も増えて良いものですが、そのような状態にはなっていません。
アフィリエイトサイトはスマホ対応していないサイトも多く、これだけを持ってスマホ化は意味が無いとは言えませんが、現時点では大きな期待を持って取り組むとがっかりする結果になる場合もあると思います。
スマホ対応と検索順位
スマホ向けサイトの要因がモバイル検索のランキングシグナルになる日は近いかも - http://t.co/nvNEslDgtx それはそうだろうなと。すでにスマホからの検索流入のほうが多いサイトが多いだろうし、PCだけ見るのはナンセンスだもんな。 — 木村賢(Satoshi Kimura) (@kimuyan) 2015, 1月 29
スマホ化する要因として検索エンジンの評価の変化も気になる所です。Twitterでも言いましたが、スマホアクセスが7~8割のサイトもあり、そのようなジャンルでPCサイトのみで評価されるのは妥当ではありません。
いますぐスマホ化しているサイトの評価が上がるとは思えませんし、スマホ化して逆に見づらくなったり、非表示にするコンテンツの問題もあります。
現時点でどうするのがベストなのかは難しい所ですが、各々が判断して対応するしかありません。私はスマホ化を進めます。このブログについては優先順位が低いので来年までには・・・