Googleアナリティクス & AdSenseセミナーレポート第ニ弾 AdSenseの最適化
セミナーレポ1に続き、AdSenseの最適化に関するセッションレポートを進めていきます。
このセッションのスピーカーは、AdSense最適化スペシャリストのシミズチトシさんです。普段は大手サイトのコンサルテーションを行なっており、主にゲーム業界やエンターテインメント業界サイトの最適化アドバイスを行なっているとのことでした。
GoogleアナリティクスとAdSenseの連携
GoogleアナリティクスとAdSenseを連携させるための方法の解説コーナーでした。
AdSenseの解析をGAで行う理由としては、5W1H(Who:ユーザー、Where:トラフィック、What:コンテンツ、How:コンバージョン)を知ることができるからです。
連携のやり方
連携方法については、「GoogleアナリティクスとAdSenseを連携する方法」をご覧ください。特に難しいことはないと思いますが、以下の注意点があります。
- AdSenseとGAの管理者権限が同一でなければならない(同じメアドが登録されていることを確認)
- 今の所1つのアカウントとしか連携できないので、GAが複数アカウントある場合には、メインサイトのドメインと連携する
- セカンダリドメインとしてリンクする場合は、特別なGAコードを入れる必要がある。
AdSenseとGAの連携は、アカウント同士で行うため、GAを複数のアカウントで使い分けているような場合には、その中の1つのアカウントと連携することになります。プロファイルやプロパティで分けている場合には全て見ることができます。
複数のドメインと連携させたい場合には、プロパティでサイトを追加した上で、さらに特別なコードをサイトに貼り付ける必要があります。
複数ドメインとの連携
既にプロパティを使っている人は新たに追加する必要はありませんが、複数ドメインと連携させたい場合には、アカウントではなくプロパティで追加することになります。アカウント・プロパティ・プロファイルとか混乱しますね・・・(アカウント、ユーザー、プロパティ、プロファイル について)
複数のプロパティがある場合、AdSenseの設定画面のセカンダリプロパティに、追加してあるプロパティが表示されますので、「コードスニペット」をクリックします。
表示されたコードをサイト内のAdSenseコードの上部に貼ればOKです。上部というのは直上という意味ではなく、HTMLソースの上という意味だと思うので、head内にでも入れておけばいいのでしょう。
一連の流れは、このあたりのヘルプに書かれていることだと思いますが、非常にわかりにくいと感じます。
同一ドメイン内の複数プロファイルであれば、こんな作業は必要無いですし、複数アカウントとの連携はできませんので、そういうことなのでしょう。私自身、異なるドメインは異なるアカウントで作成してしまっているので、状況が良くわかりませんでした。
<script>
window.google_analytics_uacct = "UA-accountnumber-propertyindex";
</script>
要するに、複数のドメインにまたがる形でプロパティを作成していて、複数のプロパティ(ドメイン)とAdSenseを連携させたい場合には、各サイトにこのようなAdSenseアナリティクスコードを追加しなければいけないということですね。
GAで見るAdSenseレポートの詳細
GAで見るAdSenseレポート解析の方法に関するコーナーでした。
AdSenseレポート解析の流れとしては、「全体像の把握⇒個々のページの確認⇒流入経路の分析」といった形で行うのが良いようです。
全体像の確認
AdSenseとGAを連携すると、GAの色々な項目にAdSenseのデータが追加されますが、メインとなるのが、「コンテンツ⇒AdSense」という項目です。
まずは、ここで1ヶ月分のおおまかなデータを確認します。連携してからある程度データが貯まらないと分析もできないということですね。AdSenseとGAの収益額が異なっている場合があると思いますが、これはGAではリンクユニットや検索向けAdSenseの収益が含まれていないためです。
なお、GAでの表記がドルになってしまうのは、本社に修正の要望を出しているが対応してもらえていないとのことでした。ドルの収益額は、収益が立った時点のドル円相場のレートによって決まるとのことです。
ちなみにAdSenseの確定収益額以外の要素は、ネットなどで公開してはいけない事になっています。シミズさんに、GAのAdSenseデータをネットで出すのもダメなんですか?とお聞きした所、ポリシー上はNGになっている。もう少しポリシーが緩くなってもいいんですけどねぇ。というような事を仰ってました。
ということで、この記事をGoogleの中の人に見られてしまうかもしれないので、公開するのはやめておきます。なので、モザイク大量ですみません。実際にアナリティクスと連携して、自分のサイトのデータで確認してみましょう。
個々のページの分析
- URLごとのCPCやCTRが見られる。AdSenseの管理画面のURLチャネルでも見られるが、大量のページを登録するのは現実的ではない
- どのページ(コンテンツ)のAdSense収益が高いかがわかる
- サイト平均との比較では、サイト平均と比べそのページの収益の高い低いがわかる。赤で表示されるページは、RPMが低いということなので、改善するための対策を考える
「AdSenseのページ」ではURLごとの収益額やクリック率などの貢献度が見られます。
また、サイト平均と比較してどのページが貢献しているのかを見ることもできます。有効CPMというのは、eCPMやRPMとも呼ばれるもので、インプレッション収益を表しています。(eCPM と RPM の意味について) AdSenseの最適化を行う上でRPMはとても重要になってきます。
長期の傾向を見た場合のページの価値を確認
ページごとのAdSense収益の傾向を長期的に見ると「減衰型・安定型・追い上げ型」3つのパターンに分けられます。
- 減衰型:ページ公開直後が最も収益が高く、その後徐々に減っていく
- 安定型:長期間安定した収益を上げる
- 追い上げ型:ページ公開後、特定のイベントなどに向けて収益が上がっていく
どのサイトでも減衰型ページが最も多くなり、特に芸能や時事ニュースサイト、ブログなどは、ほとんどの記事が減衰型になります。
安定型は、引越し術などのライフハックページで良く見られるものです。長期的に価値があるページで、ユーザーが常時訪問しているため、収益が安定します。どれだけ安定型の記事で収益を上げられるかがポイントになります。
追い上げ型は、イベントが近づくにつれ収益が上がっていくページのことです。例えばオリンピックやワールドカップに関するページを開催前に作っておけば、そのイベント開催へ向けて収益が上がってきます。
イベント開催と同時にページを作るのではなく、イベントへ向けてユーザーが興味を持つコンテンツを用意しておくということが大切です。
流入経路からAdSenseの収益を確認
- AdSense参照URLでトラフィックごとのパフォーマンスを確認
- 検索エンジンや、特定のサイトからのトラフィックのうちどれが収益に貢献しているのか
「AdSenseの参照URL」だとなぜか検索エンジンが含まれていません。
連携させると、「参照元」の「すべてのトラフィック」や「オーガニック検索」などに「AdSense」という項目が追加されていますので、そちらで確認するのが良いと思います。
カスタムレポートを利用した分析
カスタムレポートを利用してAdSenseを最適化する方法を解説したコーナーでした。
Q&A方式で対策方法が解説されて行きました。個人的には、カスタムレポートでAdSenseの項目を使ったことがなかったので新鮮でしした。(Googleアナリティクスのカスタムレポート設定とは)
Q1.AdSenseを張っていないページ or ポテンシャルのあるページやカテゴリを発見したい
- 指標例:PV、表示されたAdSenseの広告、AdSenseの収益、AdSenseの有効CPM、平均ページ滞在時間、離脱率
- ディメンション例:第1階層⇒第2階層⇒第3階層
指標として有効なのがこれらの項目で、その中でも特に重要なのが、「PV、表示されたAdSenseの広告」とのことでした。
ディメンションについては、スクリーンには、第1階層、第2階層、第3階層と書かれていました。階層とはディレクトリのことです。例として出された旅行サイトの話では、1階層目に「ツアー、トラベル」などのディレクトリ、2階層目に「東京、大阪」などディレクトリを作っておき、仮にツアーの大阪ページのRPMが高いようであれば、大阪のコンテンツを増やすなどの改善ができるという話でした。
あとは、「表示されたAdSenseの広告」を指標にして、ディレクトリやページごとに表示回数を見て、PVと比較して少ない場合には広告数を増やすというような話をされていました。広告ユニットは1ページに最大で3つ掲載できるので、理論上はPV×3の表示回数になりますが、PV×3の表示回数になっていないページがある場合には、AdSenseが表示されていないという事になります。
単に広告を載せていないのか、NGワードなどで広告が表示されないのか、他の原因なのかはわかりませんが、表示回数からAdSenseが最大数貼られていない(表示されていない)ページを洗い出すことができます。
※このコーナーは、私の聞き間違いや認識間違いの可能性があるような気がしています。いまいちディメンションの部分が理解できませんでした。
Q2. スマホサイトを作成したことによる効果を確かめたい
- 指標例:PV、表示されたAdSenseの広告、AdSenseの収益、AdSenseの有効CPM、平均ページ滞在時間、ページの平均ダウンロード時間、サーバーの平均接続時間
- ディメンション例:モバイル⇒端末⇒ブラウザ
指標は基本的にはQ1と同じですが、モバイルのデータを見る場合には、「ページの平均ダウンロード時間」、「サーバーの平均接続時間」を見た方が良いと仰ってました。
端末ごとのPVや収益を見て、例えばアイフォンの特定のブラウザだけ滞在時間が長い、ダウンロード時間が長い場合にはサイトに問題が発生していないかを確認します。ただこれは、AdSenseというよりはユーザービリティの問題ですね。
※これについてもQとAが合っていないような気もするので、私の認識間違いがあるのかもしれません。
Q3.ソーシャルトラフィックの効果を確かめたい
- 指標例:PV、表示されたAdSenseの広告、AdSenseの収益、AdSenseの有効CPM、平均ページ滞在時間、新規ユーザーの割合
- ディメンション:ソーシャルネットワーク⇒共有されたURL
FacebookやTwitterとサイトを連携している人も多いと思いますが、そういった事がAdSenseの収益にどのように結びついているのかを確認することができます。(各ソーシャルトラフィックの収益性を確認できる)
モバイル解析の重要性
AdSenseというよりはモバイル経由のアクセスを分析する重要性を解くコーナーでした。
- モバイル解析はGAが優れている
- スマホの販売台数は2,500万台、3年後には6,000万台ぐらいになりそう
- 3年後には全アクセスの3分の1がモバイル経由になるだろう
既にサイトによっては、モバイル経由のアクセスが50%以上になっているサイトもあると思いますが、今後さらにスマホやタブレット経由のアクセスが増えるという話でした。
スマホ・タブレットのアクセス解析
私自身、モバイルの分析はあまりやっていないのですが、これからのシェア拡大を考えると絶対にやるべきとのことでした。プライマリディメンションでメーカー、キャリア、OSなどのデータが確認できますが、一番右のその他という項目に画面解像度のデータがあります。
画面解像度はスマホサイトを開発・運営する上で重要なデータなのに、なぜその他に隠れてしまっているのかわからないというような事を仰っていました。レポ1で紹介したアドバンスセグメントにもモバイル・タブレットのセグメントがありますので、分析の際に役立ちます。
Googleが考えるスマホ・タブレット
- Googleでは、現在スマホを重要視しているが、1~2年後にはタブレットが台頭してくると予想している
- 日本ではまだそういった傾向は見られないが、アメリカではタブレット向けの広告在庫が売り切れているような状況
- なぜなら、他のモバイル端末と比較してCVR(コンバージョン率)が高いから
- サイトで純広を載せている人は、タブレットだけ切り分けて考えて、広告費の金額を上げたりするのもおすすめ
- GAでは、モバイルアプリ解析として、SDKを提供開始している
- アンドロイドやGoogleプレイのみ提供だが、モバイルアプリのユーザーの動向を分析するのに役立つ。例えば、クラッシュレポートでクラッシュなどのエラー状況を確認できる
スマホは既に熱いけど、今後はもう少しサイズの大きいタブレット端末の拡大が予想されるという話だったと思います。
最後にPDCAサイクルの話がありましたが、何に対する話だったのか忘れました。AdSenseの最適化は、「計画⇒実行⇒検証⇒改善⇒計画」の繰り返しが必要という締めくくりの話だったのかもしれません。
この後にAdSense最適化セッションのQ&Aがありましたが、特に取り上げるようなものはなかったように思います。
残すは、AdSenseの事例紹介(パネルディスカッション)なのですが、またしても記事が長くなったので、また次のページヘ移動します。次が最終章です。