大地震(津波)や洪水などの災害に便乗する人と、善意で混乱を拡大させる人たち
2011年3月11日に宮城県を震源とするマグニチュード9.0(震度7)の大地震が発生しました。東北、北海道はもちろんのこと、関東、中部など多くの地域で大きな揺れを感じました。
私が住んでいる埼玉では、震度5強だったようですが、地盤的に恵まれているのか、恐怖を感じるほどの揺れは感じませんでした。それでも今までの人生で経験した事が無いほどの揺れだったことは間違いありません。
大津波の影響で、宮城、岩手、福島、茨城、青森、北海道などの海沿いに住む多くの方が犠牲になりました。親戚が宮城と岩手におり、宮城の親戚の家は津波で流されてしまったようですが、怪我をした人もなく、無事が確認できました。この地震による影響は、最低でも今後10年以上は残る事になるのでしょう。
大地震は今後も必ず起きる
日本という国は4枚のプレートの上に乗っかっていますので、必然的に地震が多くなります。地震大国ニッポンと言われるように、過去に遡るとこれだけ多くの大きな地震が発生しています。
- 1924年:関東大震災(関東地震)、M7.9、死者行方不明者10万人
- 1933年:昭和三陸地震、M8.1、死者行方不明者3,000人
- 1943年:鳥取地震、M7.2、死者行方不明者1,000人
- 1944年:東南海地震、M7.9、死者行方不明者1,200人
- 1945年:三河地震、M6.8、死者行方不明者2,300人
- 1948年:福井地震、M7.1、死者行方不明者3,700人
- 1993年:北海道南西沖地震、M7.8、死者行方不明者230人
- 1995年:阪神・淡路大震災、M7.3、死者行方不明者6,400人
- 2011年:東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)、M8.8、死者行方不明者?
第二次世界大戦前後の、1940年代は大地震が毎年のように発生している事がわかります。他にも毎年のように震度5~6クラスの地震は発生しています。
日本にいる限り、地震や洪水、噴火などの自然災害からは避けられないと言えますが、こういった大災害に便乗するような人たちは、どんな時にもいるものです。
災害に便乗して利益を得ようとする人たち
どんなに大きな災害でも、全ての日本人に影響があるわけではありませんので、必ず我関せずという人の中に、災害をビジネスチャンスと捉える人が出てきます。困っている人を助けるのが本来の人間の姿ですが、傷に塩を塗るような人はどこにでもいるのです。
この業界でも、被災者に対して直接悪影響を与えないまでも、災害に便乗してブログのアクセスアップやアフィリエイト商品の売込みを行う人は結構多いものです。
今回の東北地方太平洋沖地震でも、地震の記事を書いたらこんなにアクセスが集まったという事や検索順位が上がったと言う事を自慢げに語っているブログがありました。総叩きにあって直ぐに記事を削除したようですが、後の祭りです。
どんな気持ちで、こういった記事を書くのか理解できませんが、自分や家族、親戚、知人に被災者がいない場合、海外で起きた災害と同じような感覚で、被害にあった人はかわいそうだとは思うけど、自分には関係の無い事と捉える人も多いのでしょう。
しかし、それがたとえ海外で起こった事だったとしても、災害に便乗して利益を得ようとする行為はやめた方が良いでしょう。人間のクズとまでは思いませんが、人の命をなんだと思っているのかという感じがします。こんな事は人に言われてどうこうする問題ではないのですが・・・
何もしないという事も大切
こういう災害が行った時のブロガーの行動としては、被災者の為になる情報をブログやTwitterに載せる人と、全く何もしない人がいます。私は基本的には何もしない派です。
多くの人が、誰かの助けになればと言う気持ちで、自分のブログやTwitterで、災害に関する情報を載せていると思いますが、その中には間違った情報も多く、現地にいない立場で、ネットから得た情報を元に、発信するのは大変危険を伴う行為だと思います。
また、こんなに混乱している中、被災者全体に対してお悔やみの言葉をかけたり、ご冥福を祈る事も意味を成さないでしょう。
日本人は気持ちをとても大事にしますので、自分に出来る事であれば何かをしてあげたいと感じる方も多いと思います。しかし、被災地に千羽鶴を送っても何の役にも立たないのです。
実際に災害を受けた人と、TVで状況を見ているだけの人とでは、想像もできないほどの温度差があります。過去に同じような大災害を経験した人であれば、だいたいの状況が分かると思いますが、多くの人には理解できません。
善意でやっている事、やろうとしている事が実は迷惑であると言う事も少なくありません。何かしてあげたいという気持ちは分かりますが、何もせず少しでも多くの人が助かるようにと願っていると言うのも一つの選択肢です。
デマを流す人とそれを善意で広める人たち
同じように、災害に便乗して混乱を拡大させようとする人もいます。今回の地震でも、コスモ石油での爆発火災によって有害物質を含んだ雨が降るというような内容や、福島第一原子力発電所の建物の一部が爆発した事で、チェルノブイリ原子力発電所事故を超えるような放射能汚染が起こるので、海草を摂取するようにというチェーンメールが送られています。
海草の件は、「海藻の中に入っているヨードという栄養分が体内に放射能を取り込むのを防いでくれる」という内容です。
どちらも完全なデマですが、メールを受信した多くの人が信じこんでしまい、善意で知り合いに転送したという人も多かったと思います。
通信網の発達により、口づてに広がるようなデマは少なくなっていますが、その分携帯電話やネットを通じ、考えられない速度でデマが広がっていきます。その多くは善意、無意識によって行われるというのがタチ悪いところです。
情報の速さが起因して、デマ情報であるという事が届くまでの時間も早くなっていますので、大きな混乱には繋がっていませんが、多少の影響はあったのでしょう。
どこかの偉い人が、「こういう時には、デマでも情報を早く流す方が大切である。放射能を浴びてからでは遅い」というような事を言って物議をかもしていますが、調べれば直ぐに分かるようなデマ情報を垂れ流すのは、善意であったとしても問題だと思います。
この辺も、困っている人を助けたい、知り合いに被害が出ないようにしたいと思う日本人の気持ちが影響しているのかもしれませんが、何もしない方が良いという時もある事を理解しておく事も大切だと思います。
一人の力では小さくても、それが集まれば大きな力になるという事は言えますが、現場に行かずに出来る事と言えば、必要とされている救援物資を送る事や、寄付金を送る事、それを募る事です。
現場に行けば何かできるのかというとそれも難しいところで、医者や看護士、消防士、自衛隊などの特殊な仕事についている人意外は、行っても無駄と言うか逆に迷惑をかける可能性が高いでしょう。
被災地では、多くのプロフェッショナルたちが目の前の人を助けるために必死で活動しています。そう考えるとやはり、我々に出来る事は、節電を心がけ、少しでも多くの人が助かるようにと願うだけです。